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宜野座でやんばるの「食×文化」イベント 900人来場、ワークショップも

「やんばる食×文化イベント」で披露されたエイサーの様子

「やんばる食×文化イベント」で披露されたエイサーの様子

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 やんばる地域の食と文化をテーマにしたイベント「第6回 やんばる食×文化イベント~未来につなげる味と芸~」が1月22日、宜野座村文化センターがらまんホール(宜野座村宜野座)で行われた。主催はやんばる食×文化発信イベント実行委員会。

上江洲さんによる食のワークショップ

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 「来場客は地域の魅力を再発見し、主催者は琉球の食と伝統文化を後世へつなげたい」と2019(平成30)年から行っている同イベント。「稲作や泡盛」「台湾との食文化交流」など、毎回テーマを変えて開催してきた。やんばるの食と文化に焦点を当てた今回は、約900人が来場した。

 当日は、発酵学を修め琉球料理ユネスコ無形文化遺産登録推進委員会副委員長を務める小泉武夫さんを招いての講演会「琉球料理の伝統と知恵を未来へ」や、シンポジウム「琉球料理の魅力と可能性」も開催された。約150人が参加した。小泉さんは講演を終えて「やんばるで作って育てて提供し、さらに人も育てている。食文化へ対する熱い想いを抱いている人ががいる」と話した。

 地域の子どもたちや若者によるエイサーなどの伝統芸能の披露も。「フードマルシェ」にはやんばるの飲食店12店が出そろうなど、にぎわいを見せた。

 ワークショップも開催した。人気を集めたのは、本部町で「琉球発酵食糀料理教室」を主宰する上江洲一美さんによる、食のワークショップ「ヌチグスイ~やんばるの食材と発酵調味料~」。上江洲さんの料理教室は、県内外から受講生で半年先まで予約が取れないという。今回は、那覇市や伊江島など県内各所から参加した11人に、「チラガーの油みそ炒め」「ウンチェーとエリンギのチャンプルー」「ターウムの唐揚げ」など地元食材を使った料理を作ってもらった。

 上江洲さんは「発酵調味料や食の大切さを改めて伝えることができたと感じている。食べ物を『命薬(ぬちぐすい)』という沖縄には、食べることで元気になるのが基本という考え方がある。今は食の選択肢も多く、伝統をあまり意識しなくなっているが、今こそ、食の大切さを見直し、琉球料理がユネスコ無形文化遺産の登録を目指す中で一翼を担えたら」と話した。

 「やんばる食×文化イベント」の開催に当たっての発起人で沖縄工業高等専門学校准教授の澤井万七美さんは「生徒が地域や社会とつながり、生きるためには欠かせない食や伝統を継承していくためのイベントになったらという思いで開催してきた。当初は、こんなにもこのイベントが続くとは思ってもみなかった。たくさんの人に応援してもらえているおかげ」と感謝を述べ、「次回はどんなテーマにするか未定だが、楽しみにしてもらえたら」と話していた。

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