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沖縄高専の学生がアップサイクル啓発活動 環境×福祉テーマに

「自分たちが取り組むことで環境などの循環を知ってほしい」と長浜さん

「自分たちが取り組むことで環境などの循環を知ってほしい」と長浜さん

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 沖縄工業高等専門学校(名護市辺野古)の学生が8月16日、アップサイクル啓発活動をイオン名護店(名護市名護見取川)で行った。

沖縄高専の学生が手作りした廃プラ材のキーホルダー

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 専攻科4学科に所属する学生による取り組み。地域連携授業の一環として、地域の課題を調査し、その課題に対してどのように貢献できるかを検証する授業の中で、「沖縄におけるリサイクルと福祉の循環」をテーマに設定した。

 当日は、沖縄特有のリサイクル課題や小型家電の再資源化について解説するポスター展示を行ったほか、市内のリサイクル事業者と連携し破砕現場の映像も公開した。企業が回収・破砕した小型家電由来のプラスチック素材を活用し、学生たちが自ら溶かして型抜きしたオリジナルのキーホルダーも来場者に配布した。

 販売コーナーでは、「オリオンビール」など地域企業の協力で開発した廃棄されるビール酵母を活用したアップサイクル食品「黄金もち麺」を初めて販売したほか、オリジナルキーホルダーを入れたカプセルトイも用意し、親子連れなどの関心を集めた。売り上げの一部は子ども食堂「さくら教室」に寄付される仕組みで、環境と福祉の両面を意識したという。

 この取り組みのリーダーで、生物資源工学コース1年の長浜晴さんは「沖縄のSDGsに注目し、市内の企業から話を聞く中で、特に小型家電は費用をかけて県外に輸送し処理されているという現状を知った。資源として活用する方法があるはずだと思った」と話す。キーホルダー作りでは、素材によって異なる溶解温度や強度に対応するため、学生らが手作業でデータを取り、試行錯誤を繰り返したという。「アップサイクルやリサイクルという言葉を知っていても、現場や実態を知る人は少ない。僕たちの行動を通じて多くの人に知ってもらいたい」と期待を寄せる。

 同校地域連携コーディネーターの神谷康弘さんは「リサイクルの啓発だけでなく、子ども支援という出口も設けることで、知らないうちに環境と社会の循環に関わってもらえるような仕組みを目指した。無理なく自然に参加できる形を今後も広げていきたい」と話す。

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