【名護市内小学校×FMやんばる企画】
名護市には風土や伝統、自然などを生かした教育を進める、魅力ある学校がたくさんあります。中でも、特色のある小学校の中から6校をピックアップして、各学校の魅力をお伝えしていくシリーズ企画。
シリーズ第3回目は「名護市立安和小学校」。同校の西江剛校長、安和区の崎浜秀雄区長、勝山の岸本一郎区長、山入端区の岸本敏男区長に安和校区の取り組みや魅力についてインタビューしました。
▼まずは、安和小学校の紹介をお願いします。
西江校長:安和小は明治41(1908)年に屋部尋常高等小学校から分離して、今年で117年目を迎えます。山入端・安和・勝山の3区が校区で児童数は現在79人。各学年1クラスの小規模校です。学校の後ろには、嘉津宇岳と安和岳が望める自然に恵まれた環境です。子どもたちも休み時間には虫取りを楽しんだりと、自然に触れながらのびのびと活動しています。
▼安和小学校の特徴や魅力はを教えてください。
西江校長:創立100周年を迎えたときに校内に植樹した約30本のシークワーサーの木です。肥料などの手入れは子どもたちが行っており、収穫したシークワーサーは地域の企業「勝山シークワーサー」に協力していただき、子どもたちが商品開発を手がけて加工して商品化しています。
▼おもしろい取り組みですね。詳しく教えてください。
西江校長:学年混合で構成される縦割り班で担当する木が決まっていて、班で木のお世話をしています。また学年別にシークワーサーに関する体験学習をしています。
収穫した実を使った商品化は、低学年が商品のラベルデザイン作成、3年生が「勝山シークワーサー」の工場見学、4年生がラベル貼り、5年生が「勝山シークワーサー」の方たちとジュレ作り体験、6年生が商品の値段設定や販売場所の提案、販売を行います。各学年で役割分担を決めて、全校で行っています。
昨年は約400キロの収穫があり、ジュース、ジュレ、アンダギー、ピーレの加工商品を完成させました。販売は、6年生が実際に校外に出てイベントに出店して自分たちで販売したんです。売上金は、子どもたちの校内活動費に充てています。
▼ガジュマルの木も安和小の特徴の一つだと聞きました。
はい。「おきなわの名木百選」に認定されているガジュマルの木と、木を囲むウッドデッキも安和小ならではです。ウッドデッキは2020年に卒業記念で寄付を募って設置し、みんなの憩いの場になっています。最近では、地域の人による読み聞かせも木の下で行いました。今後もウッドデッキを使っての催しを考えています。
岸本一郎区長:安和小は、地域の人が積極的に授業に参加してくれるところもいいですよね。子どもたちにシークワーサーの手入れ方法や、家庭科でのミシンの使い方、手作りおもちゃや籠の作り方など、たくさん教えてくれるんです。地域には手に技を持った人たちが多く、子どもたちに良い学びを与えてくださっています。
(写真提供=安和小学校)
▼子どもたちと地域の皆さんが楽しんだり、子どもを見守ったりする取り組みもあるそうですね。
岸本敏男区長:山入端公民館では、夏休みに安和・中山・屋部に住む子どもたちを集めて、流しそうめん大会を行いました。約50人ほど集まり、学校が違う子たち同士でも楽しく過ごしていましたよ。こういった取り組みは続けていきたいと思っています。
崎浜区長:閉園した安和幼稚園の一画を使って、今年の4月に「子どもの家」を開設しました。地域の人がローテーションで放課後の子どもたちの見守りを行っています。上級生が下級生に宿題を教えたり、一緒に遊んだり、とても良い居場所になっていると思います。
▼安和小学校区の地域全体での今後の展望についてお聞かせください。
崎浜区長:「子どもの家」もそうですが、子どもたちだけでなく、ご家族にも安心してもらえる地域づくりをしていきたいと考えています。また安和小では警察と小学校が連携する「交通少年団」も長年受け継がれているので、これからも子どもたちと一緒に安和小の安全や環境を守っていきたいです。
▼最後に、入学や転校をお考えのご家庭へのメッセージをお願いします。
岸本一郎区長:安和小を卒業した地域の人は、自然の中で目いっぱい遊んできた人たちです。時代は変われど、自然に触れる体験をすることで、子どもたちにひらめきや豊かさが生まれるはずだと思います。
西江校長:小規模校なので、学校行事でもそれぞれの児童がステージに上がったり発表したりするチャンスがあります。対応力が身に付くので、安和小を卒業した子は中学校でも堂々と人前に立つことができます。自然豊かな安和小学校で、様々な力を身につけてもらえたらうれしいです。