名護博物館(名護市大中4、TEL 0980-54-8875)が5月2日、常設展示を始めた。
1984(昭和59)年から約35年間にわたり営業した名護市東江から移転した同館。「名護・やんばるのくらしと自然」をテーマに、3月1日から本館1階エントランスでの展示や古民家のある中庭など、無料エリアに限定して展示を行ってきた。
有料の常設展示を行う本館2階の面積は205坪。「海」「山」「まち・ムラ」の3カテゴリーで展示を行い、名護を中心とするやんばるエリアの文化や歴史を伝える。展示点数は、民具や生き物のはく製など約2000点。展示品はケースに入れずに展示することで間近で見学することができる。
目玉は、名護市の捕鯨文化を伝える資料として新たに加わった、約10メートルのザトウクジラやマッコウクジラの全身骨格標本やザトウクジラのひげの展示。「名護と鯨類」を伝えるコーナーを設けるほか、名護で伝統的に行われてきた「ピトゥ(イルカ)漁」なども紹介する。
そのほか、昔使われていた農具や家畜として飼われていた豚やニワトリなどのはく製なども展示する。「貝塚時代の暮らし」「河口域で見られるマングローブ干潟」「名護・やんばるの沖縄戦」などのコーナーも設ける。
同館スタッフは「常設展示開始を大型連休に合わせたこともあり、移転前の年間来場者数の3分の1となる5600人以上の来場があった。予想以上のにぎわいだった」と話す。
「名護市民はもちろん、名護以北のやんばるエリアや沖縄県本島の中南部、観光客の方にも、やんばるの自然や文化・史跡も知ってもらいたい。興味を持っていただき、実際にその場所やスポットへと足を運ぶきっかけにしてもらえたら。やんばるの入り口の名護市にある博物館として、まずはお越しいただけるような情報や文化の発信起点を目指す」とも。
開館時間は10時~18時。月曜・祝日、第4木曜休館。「常設展示」の入場料金は、一般=440円、高校生=220円、小・中学生=220円。