沖縄県本島のやんばる地域を舞台にした映画「HAPPY SANDWICH~幸せのサンドウィッチ~」が、6月25日~29日、ギリシャで行われる映画祭「第5回 キモロ国際映画祭」に出品される。
「食と暮らし」をテーマにした同作品。名護市出身の岸本司さんが監督を務め、地域のにぎわい創出をコンセプトに事業展開するイベントなどを手掛ける会社「やんばる共和国」(東村慶佐次)が制作・配給を担当する。日本国内では4月21日に一般公開し、「沖縄国際映画祭」や沖縄県内の映画館で上映されてきた。
実際にやんばるで飲食店や農園などの事業を経営する人が出演する「ドキュメンタリー風ロードムービー」の同作品。主演は「島豚七輪焼 満味」(名護市伊差川)店主の満名匠吾さんが務めた。物語は、神事をつかさどる「カミンチュ」から、神にささげるサンドイッチを作るよう告げられた主人公が、生産者や料理人など「食」に関わる人々と出会いながら、食と人間の生き方を考える姿を描く。
「やんばる共和国」社長で同作プロデューサーの大朝将嗣さんは「混沌(こんとん)とした時代に悩み生きる人たちへエールを送る作品をしようと、昨秋から制作に取り組んできた。世界に発信したいという思い一つで、海外の映画祭に申し込んだところ、選ばれてとてもうれしい」と話す。
同映画は9月1日~17日、米・ロサンゼルスで行われる「ロサンゼルス日本映画祭」でも上映が決定している。
大朝社長は「出演しているのは、仕事を通して地域に向かい合っている地元の人たち。映画を通してやんばるの文化や暮らし、人の豊かさを世界に発信していきたい」と話す。大朝社長の妻のまりあさんは「今後は、映画を基にした『ハッピーサンドウィッチプロジェクト』を立ち上げて、映画に主演してくれた皆さんとワークショップなども開き、やんばるを発信しながら地域を元気にしていきたい」と意欲を見せる。