伝統行事「塩屋湾のウンガミ(海神祭)」が8月27日、塩屋湾(大宜味村大兼久)で行われる。主催は、塩屋区・屋古区・田港区・大保区・白浜区・江洲区・押川区の7区。
「塩屋湾のウンガミ」で「御願(うがん)ハーリー」を迎える様子
五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願し、毎年旧盆明けの「猪(いのしし)の日」に行われる同行事には約500年の歴史があると伝わる。1997(平成9)年には国指定重要無形民俗文化財に指定された。
当日は、田港区内で祈願祭を行った後、神をまつる巫女(みこ)「神人(カミンチュ)」を籠(かご)に乗せて浜まで移動し、伝統漁船「サバニ」をチームでこいで600メートルの速さを競う「ハーリー」を行う。その後、祈願を行い締めくくる。
見どころである「御願(うがん)ハーリー」は塩屋湾独特の特徴がある。一般的なハーリーはこぎ手が船の中で座ってこぐが、塩屋湾では船べりに座って身を乗り出しながらこぐ。「御願(うがん)ハーリー」のゴール地点「シナバ(青年浜)」では、女性たちが腰まで海につかり、太鼓や踊りで船を迎える。
同日、「奉納相撲」も行う。小学1年生~高校3年生の「こどもの部」は3人勝ち抜き制、一般の「大人の部」はトーナメント制で行う。
塩屋区の宮城丈也区長は「500年続いている神行事ではあるが、残っている記録が少ない。代々の村民たちの口伝えで昔と変わらない形で続いてきたと聞いている。地域住民だけでなく県内南部や県外からの来場もあるほか、歴史や文化を学んでいる大学生も訪れてくれるので、毎年とてもにぎわう。今年も地域の伝統をつむいでいきたい。御願などの神事にも注目してもらえたら」と話す。