観光プロジェクト「持続可能な地域循環経済を産むための観光プロジェクト」のキックオフイベントが11月16日、「ふしくぶカフェ」(国頭村辺戸岬)で開催された。
沖縄本島最北端・辺戸岬を拠点に、観光による地域活性化を考える同プロジェクトでは、観光地のごみ問題や旅行者の一極集中を抑え、地域と自然を守りながら、観光収益の地域循環を目指す。国頭村役場商工観光課が観光庁の補助金を活用し、地域内外の企業や団体と連携して行う。
同プロジェクトでは、「ここだけの特別体験『ユニークベニュー』」をキーワードに、地域資源やコンテンツをプログラム化する取り組みを行う。内容は、「辺戸岬一周ガイドツアー」「電動サイクルツアー」「星空ガイドツアー」、ヘリコプターを使った空中遊覧など。このほか、奥間集落の獅子舞体験、三線演奏など地域の伝統文化が学べるプログラムも予定する。
辺戸岬観光案内所の建物や敷地では、地元事業者のポップアップ出店やキッチンカー出店などが行えるよう体制を整え、観光客の利便性向上を図ることで、辺戸岬を拠点とした地域資源の収益化と持続可能な収益モデルの確立を目指す。
キックオフイベントには当日は、村役場職員や観光事業者など20人が参加し、プロジェクトのコンセプトや地域の歴史背景を共有したほか、クイックツアーや地域文化企画などを体験した。
国頭村商工観光課地域プロデューサーの志岐禎峰さんは「村が運営する辺戸岬観光案内所の調査では年間約40万人が辺戸岬に訪れているが、自然はあるものの経済循環がない現状にもったいなさを感じていた。村として辺戸岬に着目した観光プロジェクトを行うのは今回が初の試み。地域力や場所の魅力を引き出すことで、しっかりと循環する仕組みをつくりたい」と意気込む。