アートを通じてやんばる地域の魅力を発信する「やんばるアートフェスティバル」が1月18日、大宜見村を中心とする沖縄県本島北部エリアで始まった。
「自然とアート、自然と人との共存」がコンセプトの同イベントは今回で8回目。今年のテーマは「山原本然(やんばるほんぜん)」。「そのまま・生まれつき」という意味を持つ「本然」に「やんばるの自然や文化を動かさず、ありのままの美しさをアートと融合させていく」という思いを込めた。
メイン会場の大宜味村・旧塩屋小学校を中心に、大宜味村喜如嘉保育所、辺士名商店街(国頭村)、名護市民会館(名護市港)前のアグー像、沖縄美ら海水族館内美ら海プラザ(本部町石川)などのほか、恩納村と那覇市のサテライト会場を含む全11会場で展開する。
アーティストは日本国内外から参加し、映像作品や空間作品など現代アートを扱う「エキシビション部門」に32組、木工品や染め物、やちむんやアクセサリーなど沖縄の伝統工芸品を展示販売する「クラフト部門」に22組が作品を出品。沖縄本島北部の市町村民による公募型展覧「やんばるの美術館」も展示する。
目玉展示は、県内唯一の鍛冶屋「池村鍛冶屋」で使われる道具などを展示する「八重山之嘉例 池村鍛冶屋のクロガニ」。そのほか、「時代の空間を楽しむデザイン」では1980年代から活動する「OGDC(沖縄グラフックデザイナーズクラス)」が手がけた沖縄県に関するポスターや「オリオンビール」などの広告作品を展示し、歴代の「オリオンビール」のCM映像を流す。
土曜・日曜限定でアーティストによるワークショップやトークショーを行うほか、県内外から参加する飲食店のキッチンカーによるフードやドリンクの販売も行う。
同イベント総合ディレクターの仲程長治さんは「8回目ということもあり、会場に入った参加アーティストから『ただいま』と声をかけられた。参加アーティストにとってはなじんだ場所になりつつ、このイベントに向けて作品展示のイメージも湧きやすくなっているように感じる。今回も沖縄を感じられるアート作品がたくさんそろった。桜の時期なので、各市町村の桜も眺めながら本島を北上してもらい、アートも楽しんでもらえたら。まち歩きをしながらゆっくりと作品を見てほしい」と呼びかける。
営業時間は11時~17時。旧塩屋小学校は火曜・水曜休館。入場料は、一般=500円、沖縄県内在住者=300円、高校生以下無料。2月24日まで。