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名護市在住の美術家・出久根ちせさん 「世界の注目アーティスト100」に選出

「世界の注目アーティスト100」に選出された出久根ちせさん

「世界の注目アーティスト100」に選出された出久根ちせさん

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 名護市在住の美術家・出久根ちせさんが4月23日、米・ニューヨークの「Vision Art Media」が主催する「世界の注目アーティスト100」に選出された。

ニューヨークのタイムズスクエア内にある大型ビジョン

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 出久根さんは、ニューヨークで開催される「NY公募展」に、名護城公園にあるクワズイモを描いた作品「クワズイモのある風景」で入選し、同企画への応募資格を得た。今回、「世界の注目アーティスト100」に選ばれたことにより、タイムズスクエアの大型スクリーンでの作品展示と、ニューヨーク・ギャラリーマックスでの展覧会参加が決まった。

 「Vision Art Media」はニューヨークに拠点を置き、デジタルアートや映像コンテンツの制作・発信を手がけるメディア企業。日本でも新宿ユニカビジョンでの作品公開を行うなど、街とアートを結びつける活動を展開している。

 選出された100人のうち、日本人は9人。現地時間4月23日20時から21時にかけて、出久根さんの作品と顔写真がスクリーンに映し出されるほか、24日から30日まで「NY公募展」で展示される。

 出久根さんは茨城県笠間市出身。イタリアでデザインやインテリアを学び、インテリアコーディネーターとしても活動。京都芸術大学卒業後、2019年に沖縄へ移住してからは、沖縄の植物を題材に自然素材を使った作品制作に取り組む。2024年と2025年にはやんばるアートフェスティバル「やんばるの美術展」に入選。和紙、布、ひもを組み合わせた平面と立体が交錯する表現で植物を「命の形」として捉え、丸みを帯びた造形が特徴。

 応募のきっかけについて、出久根さんは「イタリア留学時代に経験した先輩アーティストの死だった」と話す。「今、生きている間でしか挑戦することはできないと思い、勇気を出して一念発起して応募した。初めての入選や選出で実感はないが、とてもうれしい。芸術家としてのスタートラインにやっと立つことができたと感じる」と話す。

 今後について、出久根さんは「今回の選出はとても励みになる。これからも諦めずに芸術活動を続け、植物のエネルギーを通して、人間が持つ感性や美意識の大切さを伝えていきたい。AIが進出する時代だからこそ、人が生み出す生命力や雑味のあるアートが希望になると思う。沖縄県内でも展覧会や文化活動を広げ、お世話になってきたやんばるや地域への恩返しを心にとどめて、貢献していきたい」と話す。

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