
大宜味村喜如嘉の複合施設「喜如嘉翔学校」内に7月25日、宿泊施設「BUNAGAYA(ブナガヤ)」がオープンした。
「喜如嘉翔学校」は2016(平成28)年に閉校した喜如嘉小学校の校舎を活用し、2022年6月に開業した複合施設。現在は、木工や焼き物、ハンモックなどのものづくりを中心に14事業者が集う。運営するのは、2004(平成16)年に栃木から移住した山上晶子さんが代表を務める「キノボリトカゲ」(同)。山上さんは2017(平成29)年から工芸品を主に販売する「山原工藝(こうげい)店」も施設内で営んでいる。
「ブナガヤ」のコンセプトは、「喜如嘉に伝わる精霊『ぶながや』のおうちにお邪魔して過ごす宿」。旧小学校の多目的ホールを改装し、鳥や木々など自然の音が聞こえる半屋外の空間を作り、宿泊部屋は6室を設けた。部屋の窓は自然を感じられるように大きくし、素泊まりで提供する。シャワールームやトイレは共有。
山上さんは「喜如嘉翔学校をオープンした当初からの計画だったが、設備の整備や建物の用途変更などに2年ほどかかった。費用面からもう難しいかと思ったこともあったが、今春からクラウドファンディングにも挑戦し、喜如嘉小学校の卒業生や多くの人に助けられて開くことができた」と話す。
施設に入居する事業者とも連携し、やんばるの植物を使った草編み体験や森のトレッキングツアー、やんばるのハーブで楽しむサウナなど、地域の自然や文化を体感できるアクティビティーも用意する。
山上さんは「すぐ横は森で夜は真っ暗で非日常を感じられる。普段の自分をリセットし、自然と向き合いながら自分と対話する時間にもなるはず。かつて子どもたちの声が響いていた校舎ににぎわいを取り戻し、建物も自然も喜ぶ場所にしたい。訪れた人が童心に帰り、日常を離れて想像力を広げる時間を過ごせる場所を目指したい」とも。