パン店「Tulipan Bakery(トゥリパンベーカリー)」(名護市安部)が10月23日、オープン1周年を迎えた。
店主はポーランド出身の石垣ナティさん。14年前に仕事で沖縄を訪れ、結婚を機に移住したというナティさんは「ポーランドでは毎朝焼きたてのパンを買って食べていたが、沖縄には故郷で食べていたようなパンがなかなか見つからなかった。自分の子どもにも身体に優しいパンを食べさせたいと思い、自分でパンを作ることにした。色んな人と交流できる場所を作りたいという夢もあったので、出店を決めた」と話す。
店名の「トゥリパン」はポーランド語で「チューリップ」を意味する。「日本語の『パン』と響きが一緒で、だじゃれみたいで覚えやすいと思って付けた」とナティさん。「ポーランドカフェ」をコンセプトに掲げる同店は、自宅の隣にある元コインランドリーを、1年かけて夫婦で改装し、外壁にはポーランド人の友人と描いたポーランド特有の花模様「ザリピエ模様」を施す。
看板商品は、ポーランドで日常的に食べられているという「天然酵母カンパーニュ」(800円)、「シナモンロール」(320円)。自家製のバナナを使った「マフィン」、「ピザパン」(以上260円)、「チョコチップクッキー」(280円)など、約20種類あるナティさんのレパートリーの中から約9種類を、旬の果物や季節に合わせてそろえる。ドリンクは、「アイスコーヒー」(260円)、「ストロベリーバナナスムージー」(550円)を用意する。
ナティさんは「オープンしてからすぐに体調を崩してしまい、1カ月ほど店を閉めたことがあった。それでも地域の人や観光客、旅行に来たポーランド人も来てくれることがあり、ゆっくりしたペースで続けてきた」と振り返る。「パンを食べた人が、おいしい、うれしいという気持ちになってくれることが一番。いつも気持ちをこめて作っているので、ポーランドのパンの味を楽しんでほしい。これからはイベント出店などにも力を入れて、たくさんの人に食べてもらいたい」と意気込む。
営業時間は11時30分~16時。木曜・金曜・土曜営業。