プロウインドサーファー・中里尚雄さんの講演会が11月23日、名護市営市場(名護市城)で行われた。
名護市営市場内で営業するビーガンメニューを中心とした弁当店「くまキッチン」が主催した同講演。食育に重きを置く中里さんと、同店店主の熊埜御堂恭子さんが共通の知り合いを通じて知り合った縁から実現した。
14歳でウインドサーフィンに出会い、ハワイ・マウイ島に22年在住した中里さんは、世界最高峰の大会「マウイグランプリ」での5位入賞の経歴を持つほか、数々の国際試合で世界ランカーとして成績を残した。ウインドサーフィンでハワイ諸島全島の海峡横断や鹿児島・桜島から沖縄までの約650キロを横断するなど、海洋冒険家としても活動する。
当日は、中里さんと熊埜御堂さんが対談形式で講演を行った。中里さんは「食育」をテーマに、自身がハワイでの交通事故で半身まひの宣告を受けながらも、リハビリと独自の食事法で復活した経緯やウインドサーフィンの楽しさや過酷さなどを紹介。参加者からの「食育を子どもたちへどう伝えたらよいか」という質問には「僕は食事をないがしろにしてはプロになれないと思い、プロが食事でどういうことに気をつけているかを聞き実践してきた。何か好きなことができると食育にもつなげやすいのでは」とアドバイスした。
会場には長さ3.9メートルのウインドサーフィンのセール(帆)も展示。公演後には中里さんがレシピを監修し「くまキッチン」が調理した「中里食育弁当」とタンポポコーヒーを販売した。
同日の朝、名護市内の海に入ってから講演会に臨んだという中里さんは「やんばるは僕の大好きな場所。名護でこのような機会がもらえてうれしい。僕の食の基本は『まごはやさしい』。食の大切さを知ってもらえれば」と笑顔を見せた。
熊埜御堂さんは「とても貴重なコラボをさせてもらえる機会になった。食の場はみんなが楽しめる場所なので、みなさんがおいしいと思って食べてもらえる食事をこれからも提供したい」と話した。