防災セミナー「台風の脅威」が7月20日、名護市防災研修センター(名護市大北3)で行われた。
同センターが台風シーズンを前に防災意識を高めてもらおうと企画した。沖縄県では昨年7月下旬から8月初旬にかけ台風6号が被害をもたらした。
当日は、名護市内から親子連れなど14人が参加。同センター職員で防災士の敷浪裕さんが「台風と水害」をテーマに、講義と体験学習を行った。
講義では、昨年の台風6号により名護市内で発生した道路の冠水被害や家屋倒壊被害、名護市消防本部の出動についてなどを、実際の写真と合わせて説明。「車両への水の危険性」や風速に応じた人や建物への影響、「地元防災士からのアドバイス」として、家屋浸水対策や植木伐採、屋外の置物への安定補強など事前にできる対策を伝えた。体験学習では、水没した車両からの脱出を体験するシミュレーション装置を使い、水圧で開かない扉を体験する「水害時脱出体験」を行った。
名護市内から親子で参加した吉元ホノカさんは「子どもが3人いるが、昨夏の台風では停電で自宅建物のエレベーターも止まり大変だった。事前の備えの大切さが改めて分かったので、備蓄などしっかり準備したい」と話す。娘の仁希さんは「体験で、水がくると扉が開かない事が分かって怖かった」と話していた。参加者の玉城一輝さんは「改めて防災について学びたいと思い参加した。被害状況の写真を見て、普段通る道も台風で一変することが分かった。台風がきたら情報収集を一番にして過ごしたい」と話す。
講師を務めた敷浪さんは「昨年の台風6号では、市内でも水害が多く発生した。沖縄は車社会なので台風時でも車を運転しがちかもしれないが、台風の怖さや実際に起こったことを知ってもらうことで一つでも被害を防ぐことができれば。定期的にセミナーもまた開いていきたい」と話す。