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名護で舞台「生きる」上演へ 初の地方公演、地元劇団・俳優も出演へ

「幅広い世代の人に見てほしい」と野村さん、末松さん、東さん(右から)

「幅広い世代の人に見てほしい」と野村さん、末松さん、東さん(右から)

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 舞台「生きる」が5月17日、名護市民会館(名護市港1)で上演される。

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 同作は、東京を拠点に活動する「劇団ZANGE」が2014年から取り組む作品で、今回が28回目の公演となる。関東圏以外での上演は初めてとなり、同劇団のメンバーと名護を中心に活動する地元劇団がタッグを組み、上演する。

 原案・プロデュースはお笑い芸人で俳優のブッチー武者さん。あらすじは「『他人に迷惑をかけるな』と育った主人公・茂が認知症を患った母の介護に疲弊し、手をかけてしまう」物語。実際に起こった事件を本にしたという社会派舞台。

 発起人は、昨年東京からIターンした名護市在住の野村佳頌さん。昨年2月、東京で同作を観劇した野村さんは「介護の現場で自身も苦労をした経験が舞台のメッセージと重なり、心に刺さるものがあった。高齢化が進み、近所付き合いも希薄になる中で、人と人との関係性や助け合うことの大切さを多くの人に知ってほしいと思い、誘致した」と話す。

 今回の舞台には、「劇団ZANGE」の俳優のほか、名護の劇団「劇団ビーチロック」と「劇団Team Hitujigumi(チームヒツジグミ)」、「サテライト沖縄」などから9人の俳優が参加。沖縄ならではの構成を組んだという。俳優で演出支援を担う東克明さんは、地元キャスティングの統括を担当。「劇団の垣根を越えて一丸となって稽古を行ってきた。それぞれの立場を背負った登場人物に、主人公を取り巻く環境が出てくる。等身大で演じることを心がけたい」と話す。

 当日は2部制で上演。1部では、タレントで音楽グループの「アイモコ」の歌唱ステージと「北山の風」による演舞を行い、続く2部で舞台「生きる」を上演する。

 実行委員長の末松文信さんは「沖縄には『ゆいまーる』という精神があるが、核家族化や高齢化などで近年では地域の行事もなくなり、人と人とのつながりが希薄になっていると私自身感じることがある。周り同士で助け合う気持ちを伝えたい。名護でこうした演劇は珍しいと思うので、足を運んでほしい」と話す。

 東さんは「介護にまつわることは元気な内に話をすることが少ないと思うが、若い世代の人親子でも鑑賞してもらい、人ごとではなく自分事として捉えてもらえれば。介護について話すきっかけになれば」と鑑賞を呼びかける。

 開演は12時、17時。チケットは、一般=5,000円(前売りは4,000円)、学生=2,000円。

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