
沖縄北部観光振興を目的とした「Fly & Cruise in Park (フライ クルーズ イン パーク)構想推進協議会」が5月28日、本部町で発足した。
本部町で発足した「フライ クルーズ イン パーク構想推進協議会」
「本部町まちまるごとテーマパーク」をキャッチコピーに掲げる同協議会は、本部町や観光事業を手がける「北部港運」(本部町崎本部)、地域商社「ANAあきんど」(那覇市久茂地)などが中心となり、官民が連携して設立した。
同協議会は、昨年度400万人以上が訪れた本部町を中心に、観光入域者数の増加を見込む。航空、海上交通、地域観光の3つの軸をつなぐ新たなモデル「Fly & Cruise in Park」構想を掲げ、観光における交通分散、フェリーの活用、環境負荷の低減、地域振興、観光客の利便性向上を目指す。具体的には、航空会社との業務連携協定によるパッケージ販売や、フェリーの利便性向上と観光コンテンツ化などを図る。
本部町と本部町観光協会が進める「まちまるごとテーマパーク事業」との連携も視野に入れ、自然・歴史・文化・食体験を織り交ぜた観光プログラムを構築し、滞在時間の延伸と宿泊促進を図るほか、貸し切りバス、レンタカー、タクシーの事業者と協力し、旅行商品としてパッケージ化することで、地域経済への波及効果を生み出す仕組みを構築する。
同日、本部港フェリー発着護岸で発足発表会が行われ、平良武康本部町長や北部港運の崎原清社長、全日空運輸沖縄支店の河野辺朋広支店長、船会社「マックスアイン」(鹿児島市)の新崎康也さんらが出席した。平良町長は「町全体をテーマパークと見据えて本部港を新たなゲートウエーと位置付け、北部全体の観光と経済振興の中心として発展させていきたい。那覇から北部への観光は交通渋滞が地域課題である中で、移動を感動体験に変えて提供したい」と話す。
発起人の崎原さんは「船を使った海上交通と観光を結び付けることは長年考えてきた。観光業界が打撃を受けたコロナ禍を経てテーマパークの開業を控えた今、タイミングが重なり町や各社と一緒に実現できることがうれしい。新たな人の流れを生み出し、地域と触れ合える観光循環をつくりたい」と話す。
将来的には沖縄北部エリアにとどまらず、北部12市町村や奄美群島への展開も見据え、北部広域DMOや関係事業者とのネットワークを強化することで、沖縄北部全体の観光価値を高める官民連携モデルとして発展させていくという。