
名護の沖縄そば店「幸(さっ)ちゃんそば」(名護市大南2、TEL 0980-43-5352)が9月11日、10周年を迎えた。
2015(平成27)年に伊平屋島出身の名嘉幸子(さちこ)さんが、早期退職を機に「人が集まれる場所を作りたい」と名護に引っ越して開いた同店。伊平屋島特産のモズクを練り込んだ自家製の「もずく麺」のそばを売りに、3年前に店を継いでもらった次男の伸匡さんと二人三脚で切り盛りする。
伸匡さんによると、開店当初の来店客は地元中心だったが、7年前に全国テレビ番組で紹介されたときには80人が行列をつくり午前中で完売する日が続いたという。完売をきっかけに店舗を増築した。現在の店舗面積は26坪。席数は60席。3年前のテレビ出演も後押しとなり、繁忙期には1日300杯を提供する。
提供する沖縄そばは、豚骨と鶏ガラを時間かけて煮込む2度炊きのスープが特徴。麺は「もずく麺」「白麺」を選べるようにしている。ソーキと三枚肉、軟骨スージィカー、モズクをのせた「幸っちゃんそば」を看板に「ソーキそば」「三枚肉そば」「てびちそば」(以上900円)など6種類を用意する。
「開店当初は今の10分の1の規模だった。10年続いたのはお客さまやスタッフのおかげ。以前は忙しすぎて店が回らなかったこともある。規模を拡張したときには苦労もあった」と振り返る伸匡さん。今後については「これ以上規模を大きくすることは考えていないが、昨年から始めた自家製麺には力を入れたい」と話す。「毎日おいしいそばを作り続けることが目標。お客さまからの『ありがとう』が一番のほめ言葉。変わらずこの地で元気に営業を続け、みんなと『ただいま』『おかえり』と言い合えるような店でありたい」と話す。
幸子さんは「自転車をこぐようにあっという間の10年だった。人が好きで、お客様ともすぐ友達になれる。味が特別だとは思わないが、感謝の気持ちでここまで来られた。お客さまにもそばにも愛情を注ぎながら、100歳まで現役で店に立ち続けたい」と意欲を見せる。
営業時間は10時~15時。月曜定休。