
書店「はなうた書房」(今帰仁村玉城)が10月23日、オープン3周年を迎えた。
経営するのは岐阜県出身の勅使川原寛子さんと夫の伸夫さん。自宅を兼ねた店舗で、営業日は毎月23日のみ。大型書店にはあまり並ばない小規模の出版社の本や、個人レーベルから出版される本を中心に、新刊を取り扱う。
出版社に勤めていた経験があり、書籍の編集や執筆も手がける寛子さんは「2020年に移住して、古民家に住むようになってから、知人などから『ここで店をやってみたら?』と言われ、書店だったら前職の経験を生かせると思い出店した。自宅でもあるので、月に1日だけ開けるなら無理なく続けられると思った」と話す。営業日は、伸夫さんの誕生日にちなんで決めたという。
寛子さんは「オープン当初は本も少なく、お客さんが来ても来なくてもいいや、という気持ちだったが、この3年間でたくさんの人が来てくれるようになった。常連も増えて、買った本で考え方が変わったという声もあった。店を通じて、人とのつながりを感じている」と振り返る。
約20年空き家だった古民家を改装した同店は、柱や壁、外観には手を加えず、古民家の趣を残す。店内には「贈り物にしたくなる本」をテーマに選んだエッセー、詩集、絵本、ZINEなど約100タイトルが並ぶ。「装丁や手触りなど、触ってみて感じられる本の魅力がある。もっと新刊を紹介できるように店を続けていきたい」と寛子さん。
8月には出版レーベルを立ち上げ、1冊出版した。「次も、読者の考えを広げていけるような本を作りたい」とも。
営業時間は10時~16時。