
コミュニティーラジオ局「FMやんばる」(名護市宮里1)が今秋にかけて、やんばる地域への台風接近時に「台風特別番組」を放送する。
2012(平成24)年の開局当初から行う同取り組み。同社は名護市と緊急時の連携協定を締結し、台風時や災害時に生放送による特別番組を放送してきた。現在は、タクシー会社「丸金交通」(大北3)や市内企業などと情報連携協定を結び、地域に特化した災害情報を共有・発信する。
暴風警報発令中は時間を問わずに放送し、道路冠水や落下物、避難所の開設状況などのほか、停電情報や給水情報、避難所の中継、名護市役所や市内公民館からの中継、リスナーから寄せられる現場情報などを伝える。
同社の新城拓馬社長は「台風時は不安になる人が多い中で、聞き馴染みのある私たちの声で細やかな情報をリアルタイムで届けたい。地元に増えている観光客への情報提供も急務。非常時に地域のためになる放送を続けることが私たちの使命」と話す。「地域の人が苦しいときに笑顔を届けることもモットー。音楽やテーマトークも交えて放送する」とも。
一昨年の8月には、台風のUターン接近で名護市内を中心に4日間停電が続き、局員が泊まり込みで放送を継続したこともあったという。昨年は台風接近による特番はなかったが、防災の日や防災ラジオの自動起動テスト時など、平時から防災情報の発信に取り組む。
「名護市の防災ラジオの自動起動機能も活用し、市の防災無線と連動しても情報を届ける。今夏も台風に備え、地域密着の情報網を生かして地域に貢献していきたい」と新城社長。