講演会「いのちと暮らしを守る災害への備え」が9月8日、名桜大学(名護市為又)で行われた。
主催は同大学看護科の教員有志が4月に立ち上げた「沖縄災害看護研究会」。地元での災害看護を考えることを目的に、同大教員で看護師の松下聖子さんが発起人となって発足した。同講演会は、会の発足を記念して初開催した。
会の発足のきっかけについて、松下さんは「近年、災害がどんどん身近になっている。災害時には自助・共助といわれるが、日頃から災害について考える場が必要だと感じ、会を立ち上げた」と話す。
当日は、医療・防災・災害対策の3つの観点から、琉球大学救急医学講座教授の梅村武寛さんと兵庫県災害医療センター看護師長でDMAT隊の津田雅美さん、日本防災士会沖縄県部支部の防災士・岸本 久美子さんが講演。市内の医療関係者や土木関係者、防災士など50人が参加した。
松下さんは「日頃顔を合わせることのない業種の人に参加してもらい、意見交換ではそれぞれの業種で災害時に何を備えているかも分かった。他業種の備えは日頃は分からないが、こうして顔を合わせると、いざという時には誰に何を頼んだらよいかが分かる。良い地域連携の第一歩になった」と話す。
「年内には、災害時の初期対応や災害復興についてなどの講座も予定している。看護の観点から災害を考え、活動を通して周りとの日常的なコミュニケーションや共助の大切さを伝えていきたい」とも。