沖縄工業高等専門学校(名護市辺野古)の学生と「道の駅許田」(許田)がコラボしたドーナツ「モチジェ」が現在、パン店「ラガール」で販売されている。
施設内のパン店で提供する同商品は、泡盛の製造過程で生じるもろみかす「かしじぇー」を生地に使ったドーナツ。4学科が連携して地域課題の解決に取り組む授業の一環で、学生5人が開発に取り組んだ。泡盛の副産物「かしじぇー」の有効活用と子ども食堂を核にした地域の子ども支援を組み合わせたプロジェクトとして進めた。試作から商品化までは約3カ月。「ラ・ガール」と共同で開発した。沖縄らしいフレーバーとして「紅芋」「シークヮーサーグレーズ」「シュガー」の3種類を、1日20個限定で販売する。売り上げの一部は、市内の子ども食堂「さくら教室」に寄付し、食材費や教材費などの運営費に充ててもらう。
同校地域連携コーディネーターの神谷康弘さんによると、沖縄県内では泡盛の蒸留後に年間約1万2000トンのかすが発生しており、その多くが十分に活用されていないという。同校が泡盛の研究にも取り組んでいることから、今回はヘリオス酒造から提供を受けた「かしじぇー」を使って商品開発を進めた。
商品開発では、同校生物資源工学科の学生が「かしじぇー」の酸性度を分析し、生地との相性を検証。「かしじぇー」の酸性を牛乳や水で調整することで、もちもちとした食感を実現した。商品名や価格も学生が考案したほか、情報通信システム工学科やメディア情報工学科の学生は、商品コンセプトやデザイン、アンケート調査などを担当し、それぞれの専門分野を生かして取り組んだ。
神谷さんは「地域課題を地域の実践で解決することが今回のテーマだった。これまで捨てられていた地域資源を商品として生かした売り上げが子どもたちの支援につながる仕組みができたことは大きい。地域の事業者と連携したことで、約3カ月という短期間で社会実装まで進めることができた」と話す。
道の駅許田の金良宗貴駅長は「当初はサンド商品なども試作したが、学生の意見を取り入れながら、幅広い世代や観光客にも親しみやすいドーナツにした。学校と連携した商品開発は約4年ぶり。学生が活躍できる場にもなり、当店にとっても新たな商品となった。売れ行きも良く、今後も継続販売につなげていきたい」と話す。
プロジェクトのリーダーを務めた電子通信システム工学コース1年の上田剛瑠さんは「子どもたちを支援できる商品を作りたいという思いで始まったプロジェクト。約10回試作を重ねた。『かしじぇ』の良さが生きたドーナツになった。おいしいと感じてもらった結果として支援につながれば。多くの人に食べてもらえたら」と話す。